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オカルト関連のおすすめ本『ひとり百物語 怪談実話集』(立原透耶・著)

おすすめ本紹介
書籍情報

・タイトル:ひとり百物語 怪談実話集
・著者:立原透耶
・出版社: KADOKAWA (2014/4/9)
・ジャンル:心霊体験談

小学生のころ、学年にひとりくらいは霊感のある子がいて、「〇〇によるとあの神社は危険らしい」など、子どもたちの間でそれとなくコンシェルジュのような役割を果たしていたものですが、現在もそうなのでしょうか。

本著「ひとり百物語 怪談実話集」の作者、立原さんもそんな風にかなり見える体質の方です。

それゆえに常々から心霊現象を数多く体験し、一人で百以上の怪異現象ネタを語れるまでになってしまった…という強者です。

普通、百物語というと何人かが集まって百のろうそくを灯し、話を終えるたびにひとつひとつ吹き消していく…というスタイルが伝統的です。

ですから100話÷人数分、ということで5人で行ったとしても怪談20件。

これでもかなりきついはずですが、立原さんの場合はひとりで黙々100話を語ってしまい、しかもすべて自分が体験した話なのが驚異的です。

文庫版表紙が女性のイラストで、私たちに実体験を語る立原さんの肖像のような感覚をおぼえました。

立原さんはご家族みなに霊感があるため、家庭内で霊について問題視できている、というのが大きなポイントです。

これで一人だけ見えるような子どもがいると、誰にも理解してもらえずに悲劇になってしまう場合が多いのですが、このご家庭の場合はそうではありません。

強烈エピソードも多いのですが、亡くなったご家族やペットに守られているような、優しい心霊現象もいくつかあるので安堵できます。

それにしても怖いのは、水色のトレーナーの男性です。ご本人もトレーナーは好きだが、水色はどうしても選べないというほどトラウマになっている見知らぬ霊のエピソードや、生霊によるものらしい現象は、生々しくてゾッとします。

また、一人暮らしの部屋を決める際に立原さんの感覚をあざむいてまで呼び込もうとする強烈な因縁の地霊(?)など、霊感の強い方は本当にまとわりつかれてしまうのだということを今回初めて知りました。

怖い話、ちょっといい話など本当に100話があっという間に読めてしまうのですが、これは立原さんの文章力によります。

さらっとしていても怖さの演出が効果的で、よどみなく読める一冊です。本当の百物語は100話語ってしまっては危険といわれますが、この本は最後まで読み切った後に「ハッ、100話読んじゃった!?」と気づいても、特に危ないこともありませんでした。(霊感のない私の場合ですが…。)

驚いたことに立原さん、この百物語をシリーズで刊行しています。まだまだネタは尽きないということでしょうか。小説も含めて、今後も注目したい作家さんです!

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