皆様がご存知の都市伝説を教えてください!

とあるホテルで聞いた不気味な音

FM都市伝説

【投稿者:東京のサラリーマンさん】

これは、私が社会人2年目の冬に体験した出来事です。

私は職場のメンバーと仕事の関係で群馬県へ出張に出かけました。

5人でビジネスホテルに宿をとり、相部屋になった先輩と酒を酌み交わしながら、仕事の話もほどほどに自分たちの身の上の話になってずいぶんと盛り上がったことを覚えています。

そのとき、一人の先輩がふいにこんな話をし始めました。

「社会人になってからは今日のように出張で地方へ来ることもしばしばあるんだけどさ、地方でビジネスホテルに宿泊するとき、ビジネスホテルの部屋に飾ってある絵画やイラストの額(がく)に気をつけたほうが良いよ」

と先輩は言いました。

先輩も人伝いに聞いた話のようでしたが、ビジネスホテルの額の後ろに万一お札の類が隠れている場合は、その部屋で自殺をされた方がいるということだから、念のため部屋に入ってまず最初に確認をした方がいい、もし貼ってあったなら部屋を変えてもらった方がいいと。

わたしは当時都内から地方へ出張に行くことが多く、ビジネスホテルに泊まることも多々あった為、今まで全く気にしなかったこのことがその時以来妙に頭に刺さってしまいました。

それから出張で1人で宿を取るとき機会があったとき、部屋に入って改めて部屋の中を見回すと確かに部屋にはインテリアを兼ねて必ず額が飾ってあることに気づきました。

ただ臆病なわたしは、額の裏側を覗く勇気などなく、恐怖心にかられながらも出来るだけ酒を煽って早く眠ることを心がけていたように思います。

それから半年くらい経ったある日、わたしは出張でとある群馬県のホテルに宿をとることがありました。平日ではあるものの、予約が遅かったのかいつものホテルが満室のため予約できないので、わたしは一度も泊まったことがないホテルに宿泊することにしました。

料金は少し安かったのですがそちらのホテルは空いていたようで、シングルで予約したのですが当日フロントで気を利かせてくれて、同じ料金でツインの部屋を案内してくれました。

到着した時間が遅かったこともあり、館内はひっそりとしてどれくらいのお客さんが宿泊しているのかもわからないのですが、入った瞬間に少し違和感を感じました。

館内もロビーも薄暗く、また部屋自体も全体的にいつものホテルより暗い。それに加えて、湿度が高い感じがするのです。

ちょっとこのホテルはいやだなあ、と最初に思いました。

部屋の調光を全開にしても薄暗い広い部屋に1人入室したわたしは、例によって壁掛けに飾られた額をテレビ台の近くに目にしましたが、見てはいけないと目線を出来るだけ逸らし、買ってきた夕飯をテレビを見ながら食べることにしました。

サッとシャワー浴びて明日の準備をし、ビールを何本かあけて、いつものように気味悪さから逃れるためにさっさとベッドに横たわったのですが、その日は電気を消すこともテレビを消すこともできませんでした。

いつもと違う部屋の雰囲気が、そして少し陰気の感じられる部屋の空気が気になってしまい、とにかく早く眠りたいと思いながらもなかなか寝付くことが出来ませんでした。

そんなことを考えながら1時間、2時間と時間が経つ中で、私は知らぬ間に眠っていたようでした。

ぱっと目が覚めてベッドに備え付けの時計を見ると夜中の3時くらいだったかと思います。ビールを飲んだせいか汗だくで喉がカラカラだったので、買っていたお茶を飲もうとしたときでした。

パキ、パキ…

という何か小枝のようなものが折れる音がした気がしました。ちなみにホテルは繁華街に建っており、宿泊したのは5、6階だったので近くに木々があるわけではありません。

怖がりなわたしは、嫌なときに聞こえてしまうこんな音に完全に支配されてしまい、またしばらく眠れなくなってしまいました。

またしばらくして、

パキ、、パキ…

部屋のどこから鳴っているのかわかりませんが、古い感じのホテルなので空気清浄機などの設備はなく、電化製品がたまに発する音ではない。部屋が妙に広いので鳴っている場所もわからない。

眠らなきゃと思っていてもその音が頭の中にこびりついて眠りに集中できない。

わたしはベッドの上で意識をなんとか違う方向へ向けようと携帯を取り出して、そちらに意識を集中しようとしました。すると、

パキ、パキバキバキバキ…

恐怖で口から心臓が飛び出しそうになり、わたしはベッドから這い上がり、まだ朝になっていないけれどワイシャツに着替えてチェックアウトしようと決心し、身支度を始めました。

時間は夜中の4時半頃だったでしょうか。

髪も整えぬまま身支度を終えたわたしは、テレビ台の横にあった車の鍵を取ろうとして、頭上にある風景画のイラストが入った額を目線に入れてしまいました。

もうこのホテルは絶対に泊まらない。

先輩が言っていたのと絶対違う。

さっきの音は壁か何かの軋みだ。

絶対、違う。絶対、違う。

わたしはそう自分に言い聞かせながら、出口のドアに駆けるような思いで、車の鍵を掴んだ手を額にさっと触れました。

額の後ろには、

何もありませんでした。

ただ、安堵してドアに向かう途中、

パキ、パキパキバキ…

と鳴ったとき、背筋をゾクッとさせながらわたしは部屋を振り返り、

ツインの部屋のベッドとベッドの間に掛かった、もう一枚の額を目にしました。

全く気づいていなかった、小さな額がそこに飾られていました。

猛烈な悪寒と気分の悪さに襲われたわたしは一目散に部屋を出て、チェックアウトし、朝になるまで車で過ごしましたが、車の中でも恐怖に震えていました。

以来そのホテルにはもちろん泊まることはしなくなりました。

あの音がなんだったのかは今でも知る由もないですし、当時を振り返りその状況を客観的に考えれば、寝ていたベッドが腐っていたのかな、なんて不思議と冷静に思える自分もいます。

でも一方で、

吊るされた体が重くて、天井が軋むような音かもしれないと思ってしまう、わたしも未だにいるのです。

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