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【ゾッとした話】認知症患者が残した手帳

【投稿者:隣のM.Kさん】

これは、介護施設で働いていた時の話です。ある日、男性入居者の認知レベルも低下して持病も悪化しているということもあり、医療体制も整っている、大きな特養老人ホームへと移ることになりました。

その方は、認知症の関係で話をほとんどできない方ではあるものの、こちらが話しかけるとうれしそうに笑顔を見せたり、レクリエーションなどにも楽しそうに参加されていたりと、無口だけど本当は優しい人なんじゃないかなと思い気にかけていましたので、施設を移ることにちょっと寂しさのようなものを感じていたのです。

その方は家族などもいないため、後見人を設定して手続きなどをしてくれたようなのですが、荷物はスタッフでまとめて欲しいと要望があり、その日勤務だった私が担当することになったのです。

衣装ケースなどはそのまま持っていくことになり、備え付けの棚に入れておいたものはダンボールに詰めるようにしました。

小説やレクリエーションで使った折り紙、誕生日に贈られた色紙やハンカチなどが出てくる中で、古い手帳も出てきました。

それは、長年使っていたことが一目でわかるほどボロボロで、普段なら見てはいけないと思い見ないのですが、入居男性が話をしない謎多き人だったこともあり、どんなことを書いているのか気になり、手帳を開いてしまったのです。

そこには、1977年と書かれていて相当昔のもの。入居者の方が40代の時に使っていた手帳のようでした。

スケジュールの欄には何も書かれておらず、つまらないなと思いながらページをめくっていくと、メモの欄にびっしりと文字が書かれていたのです。

家族はいないと思っていたのですが、なんとそこには奥さんと子供のことが書いてあり、~に旅行に連れて行ったなどと普通の家庭を持っていたことがわかります。

でも、子供はいないと聞いていたため、もしかして離婚したのかなと思い、もう少し読み進めることにしました。すると「Aのことがばれた」「Aと会ってるのも見られた」などとある女性の名前が頻繁に登場したのです。

これは不倫で離婚したんだなと、今の姿から想像できない修羅場に私は不謹慎にもちょっと楽しんでしまったのです。見てはいけないものだってわかってるけど、見ずにはいられませんでした。

その手帳には「Aと別れたくない!」「Aは俺のものだ!妻には邪魔させない」と不倫相手への執拗な愛が書き綴られていて、それはちょっと恐怖を感じさせられるほどだったのです。

小さな手帳にびっしりとその時の気持ちが書いてあり、「Aを話したくない!」「妻のせいでAが離れていく!」「俺とAを引き離すなぁぁぁl!」と狂気に満ちた文字で殴り書きをされいるのです。そして、ページが進むにつれて文字は大きくなり、一ページにAの名前だけを何度も書いていたり、異様な感じだったのです。

そして、ページが少なくなっていく頃には「妻を消すしかない」「妻がいなくなればAと生きていける」「みんな消さなければ」と穏やかではない言葉が並んでおり、そして「もがき苦しみながら消えてった」「海に捨てるか山に捨てるか」などと続き、更に「家族を消したのにAが逃げる!」「絶対に逃がさない。私はAのために家族を消したのに!」「絶対に逃がしてなるものか!俺はAと生きると決めたんだ!!」と書かれていたのです。

消したって殺したってこと?でもそれならこんな風に普通に暮らしているだろうか……。真実なのか妄想なのか知る由はないものの、その殴り書きの文字からは確かな恐怖を感じ取ることが出来ます。

更にページが進むのですが、Aの所在を求めて精神的にも追い詰められていることが分かるのです。

消したという家族はどうなったのか。私は家族の最後を知りたくてページを進めました。すると、落ち着いた文字に変わり、日付がされていました。

2000年の日付とこの手帳を押入れから見つけ出したといった文章でした。

そこには、Aは結局見つからなかった。そして、一人で身を隠して生きていかなくてはならなくなったと、当時のAに対しての執着で人生を無駄に過ごしたといったことが書いてあったのです。

家族を殺めてしまったことに対しての後悔の気持ちとAに対しての恨みつらみ。そして「Aを見つけ出してこの手でその息を止めるまで私は死ねない」と書いてあったのですが、その次のページに1年前の日付と「Aをみつけた」という文字が目に入りました。

この男性が入居してきたのは3年前。もしかして入居者のなかにAがいるのかと思ったものの、その名前の入居者はいません。

勘違いか、そもそもこのAなんていなくて、小説のような感覚で妄想を書いていただけかもしれないと思うようにしました。

しかし、そのメモには続きがあり、

「私も力がなくなった。確実にAを殺す為には計画を練らないと」

「Aの首を絞めて殺すにはひもが必要だ。ひも……ひも……」

「ネクタイが役にたちそうだな」

などと続き

「夜一人になるときを狙わなくては」

「昼間は危険、仲間がいる。夜は一人……夜にこい、A、早くこい」

と具体的な文章に思わずぞっとしました。

妄想だとしても具体的過ぎる。私は、この手帳を上司に渡して報告することにしました。すると、手帳を渡した時、誤って床に落としてしまったのです。すると、古い写真が飛び出してきました。その写真を見て、私はぎょっとしました。

上司「あら、これあなたにそっくりじゃない?」

そう。その古い写真には私にそっくりな女性が写っていたからです。

一年前といったら私がこの施設に入社したときです。夜勤もある仕事だったけど、子供がいるので昼間だけの勤務体制でした。この写真はきっと捜し求めているAだ。Aは私にそっくりで私をAと勘違いしているのだと気がついたのです。

その後、中身を見た上司は真っ青になり施設長など更に上の人に報告をし、その入居者さんは元々移転する施設ではなく別のところに連れて行かれることになったと聞きました。無口だった入居者にどんな過去があったのでしょうか。

もしも私が夜勤に入っていたら、もしかしたら殺されていたのかもしれません。

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