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【今思うとゾッとする話】子供のいたずらで死んでいたかも知れない話

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【投稿者:猫又さん】

私が小学校の頃の話しです。
学校が終わると、よく隣の家に住む一つ年下の女の子と二人で遊んでいました。

当時、私たちが住んでいた住宅地の道路挟んで向かい側に、新しく住宅地ができ始めていました。

区域の端の方から順に家が建てられていて、毎日姿を変える新築の家たちに、私たちは興味津々でした。
今ほど管理も厳しくなかったので、作業員のいなくなった骨組みだけの家で、土台をよじ登ったり間取りを考えたりして遊んでいました。

ある日、ほぼ完成している家の鍵が開いていることに気づきました。
作業員は遠く離れた場所にしかおらず、こちらにくる様子もありません。

私達はどちらともなく、こっそりと中に入ろと言い出しました。
気分は探検隊。
作業員の目を盗み、土足のまま家の中を探索しました。

家はほぼ完成していて、新築の匂いがしました。
暫く探索していましたが、家として完成しているものはあまり面白みがなく、しだいに飽きてきました。

私たちの行動はエスカレートし、押し入れに入り、押し入れの天井から天井裏にまで侵入しました。

天井裏は銀色の断熱材で覆われていて、子供だった私たちにはとても不思議な空間に映りました。
暫く四つん這いで天井裏を歩き回っていました。
断熱材がフワフワとクッションのような役割をし、布団の上で遊んでいるような気分になりました。

その空間にも慣れてきた頃です。
一部天井が高いところがあり、私は不用意にもそこで立ち上がってしまいました。
立ち上がって一歩踏み出したその瞬間、足元の断熱材が凹み、私はバランスを崩し尻持ちをつく形で後ろに倒れました。

足とお尻が沈み、膝の下には細い柱が一本。
漫画の中で落とし穴に落ちた人物のようになっていました。
でも、この細い柱一本のおかげで私は下に落ちずに済んだのです。

暫くは何が起こったのか分からず、私も友達も声も出せない状態でした。
自分の心臓の音だけが、やけに大きく聞こえたのを覚えています。

ゆっくりと穴から抜け出し、断熱材をめくってみるとそこだけ板がなく、ちょうど下にある階段が見えました。

「…ここだけ天井がまだだったんだね」
「断熱材がひいてあるから気付けなかったね」
とお互い無事だったことにホッとしつつも、急に怖くなってきました。

「もう行こっか」私たちは家から出ることにしました。
押し入れから出て、二階から一階に行こうと階段に向かったとき、階段の真上の天井が一マスないのが見えました。

そこに足を踏み入れてしまったんだなと、すぐにわかりました。
考えたらどんどん怖くなり、急いで階段を降りました。

そしてそこで私達はさらに恐ろしいものを目にしました。
天井の板が一マス分、階段の下に落ちているのです。

その瞬間私たちは全てを理解しました。
天井が一マス分、抜けていたわけではない。
私が立ち上がった為に、天井を踏み抜いてしまったのだと。

もしバランスを崩して倒れていなければ、そのまま階段に落ちていたかも知れない。
そして階段に落ちた天井のカケラと同じで、そのまま一階まで転げ落ちたかも知れない。
そうなっていたらどんなに大事になっていたか。
きっと怪我どころではすまなかったでしょう。

目の前がクラクラするということを、初めて経験したように思います。
私たちは真っ青になり、慌てて家を飛び出しました。
そしてその日あったことを誰にも口外しないと約束をしました。

あれからもう30年経ちます。
結局その件は公になることもなく、私たちの行動も誰かにバレることもありませんでした。

子供のいたずらだったとは言え、許される事ではありません。
今思い返しても、建築にたずさわった方に申し訳ない気持ちでいっぱいです。

そして立ち上がった瞬間足元が抜けていくときに感じた恐怖も、忘れることができません。

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