皆様がご存知の都市伝説を教えてください!

【オーパーツ】解読困難な奇書「ヴォイニッチ手稿」の謎に迫る!

FM都市伝説

ヴォイニッチ手稿とは

概要

ヴォイニッチ手稿(しゅこう)とは、1912年にポーランドの革命家でありアメリカやイギリスでは古書収集家として活躍したウィルフリッド・ヴォイニッチによりイタリアのローマ近郊にあるモンドラゴーネ寺院で発見された本であり、15世紀に書かれたと言われています。

「ヴォイニッチ手稿」という名称は、発見者の名前が元になって付けられました。この書物は、他のどこでも見たことの無い、謎の文字で文章が書かれており、ともに描かれている挿絵は大変奇妙なものが多く、奇書と呼ばれることもあります。

ヴォイニッチ手稿の大きさは、22.86cm×15.24cm位。246ページが現存しています。目次のページが失われており、また、ページ番号が飛んでいる部分もあるため、書かれた当初のページ数はもっと多かったと考えられています。

書かれた年代

ヴォイニッチ手稿の羊皮紙のサンプルを使い、2011年にアリゾナ大学で放射性炭素年代測定が行われました。

その結果、羊皮紙は1404年から1438年のものと特定され、ヴォイニッチ手稿の長年に渡る謎の一部が解明されることとなりました。

この調査によって羊皮紙の年代はわかったものの、実際に文章や奇妙な挿絵が書かれた年代は不明なままです。

美術史家などによる分析では、インクや絵の具はルネサンス時代(1300年から1600年)に入手可能だったものと一致しているとの見解がなされています。

ヴォイニッチ手稿の内容について

内容は、「薬草」、「天文学」、「生物学」、「宇宙学」、「薬学」、「料理」の6章に分かれているとされており、植物と女性の挿絵が全体的に多いです。

1912年の発見後、1915年にヴォイニッチ手稿の存在が世間に公表され、解読に多くの言語学者や暗号学者等が挑戦してきました。また、発見者であるウィルフリッド・ヴォイニッチ自身も解読を試みましたが、その願いは叶えることはおろか、制作年代を判明させることもできませんでした。

現在でも、ヴォイニッチ手稿の解読や調査は複数の研究者等によって行われており、年代や使用されている文字のルーツ、内容等に関して様々な説が唱えられています。

薬草学や医学書、個人のメモ書き、はたまたでたらめに書かれただけの書物だという説等様々な解釈がありますが、あくまでも仮説にしか過ぎず、現在も解読が進められています。

解読困難な文字に加えて、花や植物、星雲を思わせる渦巻や天体図、顔が描かれた太陽、銀河系の様なもの、天文学的なもの、植物のプールもしくは水槽に浸かった裸の女性達等の挿絵は説明文が解読されていない故に描かれた意味が不明であり、未知の植物等も描かれているため大変不可思議であり、発見から百年以上が経った現在でもミステリアスな存在で居続けています。

ヴォイニッチ手稿の正体に関する様々な説

ヴォイニッチ手稿の正体は何か?一体何が書かれているのか?解読されていない故に不明ではありますが、憶測として様々な説が唱えられています。

【説01】薬草学等についての書物

ヴォイニッチ手稿の挿絵にも植物等が描かれており、内容は解読できていないものの絵と関連した知識が記述されているのではないかと言われています。

【説02】錬金術に関する書物

錬金術に傾倒する王や貴族がおり、錬金術関連の書物は高く買い取られていたこともあり、高値で売りつけるために錬金術の書物として作成されたという話があります。

【説03】秘密結社についての書物

フリーメイソンやイルミナティ、薔薇十字団等の秘密結社についての書物だという説です。魔術や儀式、秘密結社が保持している秘密の知識等について、特別な暗号を使って記されたのだと唱えられています。

【説04】異世界やパラレルワールドの書物

トンデモ話とされてしまいそうですが、ヴォイニッチ手稿は異世界やパラレルワールドの書物であり、何らかの原因によりこちらの現行世界にやってきてしまったという都市伝説もあります。使われている文字が解読困難なのは異世界の文字であるため、描かれている植物も奇妙なものが多いのは異世界の植物が描かれているからだと噂されています。

ヴォイニッチ手稿の作者は誰なのか?

ヴォイニッチ手稿は一体誰が書いたのでしょうか?解読が進められている現在でも判明していません。以前より唱えられている2つの説をご紹介します。

ロジャー・ベーコン説

その1つは、イギリスの哲学者であるロジャー・ベーコンだとする説です。

ロジャー・ベーコンは理論よりも実験や観察、イスラム科学を重視した、近代科学の先駆者として知られています。また、神学、数学等多岐に渡る分野の知識を有しており、多くの言語を理解することができていたと言われています。

ヴォイニッチ手稿には1通の書簡が添付されており、そこには16世紀後半に神聖ローマ皇帝ルドルフ2世が、イギリスの占星術師よりロジャー・ベーコンの著作だと紹介されて手稿を購入したという経歴があることが記述されていました。

ヴォイニッチ手稿の発見者であるウィルフリッド・ヴォイニッチは、この書簡からロジャー・ベーコンが著者であると考え、ロジャー・ベーコンが薬草学等について、宗教的な迫害から守るために暗号にして記したものであるという説が広がっていきました。

しかしながら、ロジャー・ベーコンが生きた時代は1214年から1294年の13世紀であり、現在判明しているヴォイニッチ手稿の羊皮紙の特定された年代よりも遥か前になってしまうため、長い間唱えられていた説であったものの否定されることとなってしまいました。

エドワード・ケリー説

イングランド生まれの錬金術師であるエドワード・ケリーが作者であるとする説もあります。

ジョン・ディーという錬金術師・占星術師・数学者といくつもの肩書を持つ人物の弟子であり、水晶球透視といういわゆる霊媒や交霊を行っていた人物です。天使からエノク語等の知識を授かったという伝説もあります。

エドワード・ケリーが生きた年代は1555年から1597年と言われており、水晶球の中に天使や精霊の姿を見ることができ、彼らと交信できると謳って、ジョン・ディーとともにポーランドやボヘミアで貴族達に魔術を披露していました。

彼らのパトロンとなった貴族もいたようですが、最終的には拘禁され、脱獄しようとして死亡したという噂もあります。

エドワード・ケリーを作者とする説は、錬金術に関心があり、多くの錬金術師のパトロンとなっていた神聖ローマ皇帝ルドルフ2世から金銭を得るため、または献上するためにヴォイニッチ手稿を作成したというのが内容になります。

また、ジョン・ディーを担ぐために作成したという話もあれば、彼を出し抜くために作成したという話もあり、エドワード・ケリーを作者とする説の中でも、多数の噂が唱えられているようです。

ヴォイニッチ手稿の解読について

1912年にヴォイニッチ手稿が発見されて以降、多くの学者等が解読に挑戦しました。どのような解読の試みがなされてきたのか、ご紹介します。

ウィリアム・フリードマンによる解読

1945年に第二次世界大戦中に日本のパープルコードを解読したことでも有名な暗号解読の専門家であるウィリアム・フリードマンが解読を試みましたが、成功しませんでした。

フリードマンは、ヴォイニッチ手稿に書かれている文字は、他の暗号と比べて異質であり、通常、暗号は解読を防ぐために言葉の反復を避けるがそういった面が無く、反復部分が多くあるため暗号というより人工言語(語彙や文法が人工的に作られた言語)なのではないかと指摘しています。

レオ・レヴィトフによる解読

レオ・レヴィトフ博士は1987年に発行した著書「Solution of the Voynich Manuscript」で、ヴォイニッチ手稿内の水槽に浸かっている女性の絵は12〜13世紀頃に南フランスで栄えたキリスト教の異端教派であるカタリ派の「耐忍礼」の儀式の様子ではないか、言語はラフマン語を元にしたクレオール言語(複数の言語を混ぜ合わせたもの)と唱えました。

また、ヴォイニッチ手稿はカタリ派の教義書や関連文書であると主張しましたが、その主張は妥当ではないこと、また解読に不自然な箇所が多くあることが指摘され、誤りであったとされています。

ヴォイニッチ手稿で有名な「水槽に浸かっている女性の絵」
有名な「水槽に浸かっている女性の絵」(出典:wikipedia

スティーブン・バックスによる解読

2014年には、ベッドフォードシャー大学のアラビア語の言語学者であり、言語教育の教授であるスティーブン・バックスが、手稿に描かれている植物のアラビア語名及びヘブライ語名、その他の中東の言語における呼称を手稿中の文字の出現パターンに当てはめることによって、10個の単語の解読に成功したという論文を発表しました。

バックス自身は、この論文の内容は暫定的なもので、今後もさらなる研究が必要と語っており、自身のホームページで論文や研究内容を公開し、その後も解読が続けられています。

ニコラス・ギブズによる解読

2017年に中世の文献の専門家であるニコラス・ギブズはヴォイニッチ手稿を婦人病の治療法をまとめた医学書だという説を発表しました。

3年間をかけて解析を試みた結果、ヴォイニッチ手稿の文字はラテン語の単語の略号であることが判明し、中世の医学書とヴォイニッチ手稿に類似点があると主張しています。それらの文献にはいずれも磁鉄鉱(磁力を帯びた天然の鉱物で当時婦人病の治療に用いられていたと考えられている。)について同じ記述があるとしています。

また、ヴォイニッチ手稿の挿絵に水槽に浸かる裸の女性の絵があり、これは中世において人気の健康法だった入浴のことだと唱えています。中世の医学書には病気、主訴、植物の名称、ページ数等が書かれた目次があり、ヴォイニッチ手稿では目次部分が紛失されているため解読が困難になってしまったのではないかとの見解です。

アメット・アーディックによる解読

2018年にカナダの電気技師であるアメット・アーディックは、機械学習を利用したAIも投入して解読を行い、ヴォイニッチ手稿は古いトルコ語で記載されていると発表しました。作成した論文はジョンズ・ホプキンス大学のデジタルジャーナルに投稿したとのことです。

4年前にヴォイニッチ手稿を初めて目にして、文字の中に接頭語や接尾語を意味する形状を見つけ、母国語であったトルコ語のテュルク文字に似ていると感じ、解読を始めたのだとアメット・アーディックは語っています。

息子2人と一緒に解読を進め、文字が古いトルコ語のテュルク文字に合致することとそれぞれの文字の役割を調査し、カレンダーの役割を持つページがあること等が判明したと発表しました。

2018年時点で300語の単語の解読に成功し、その後も200ページ以上に及ぶヴォイニッチ手稿全体の解読を続けています。また、アーディックの論文に関心を持った研究者もおり、解読研究に加わっています。

ジェラード・E・チェシャーによる解読

2019年、イギリス・ブリストル大学の言語学者のジェラード・E・チェシャーによって、ヴォイニッチ手稿は現在では使用されていない言語であるロマンス祖語(フランス語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語といった現在用いられている言語の基礎となった言語)で書かれていると発表しました。

句読点が無く、いくつかの文字に句読点やアクセントを示す記号が含まれている点や、文字はどれも小文字であるといった特徴がロマンス祖語と重なっているとのことです。

ロマンス祖語は話し言葉のため文字として残っていない絶滅した言語であり、ヴォイニッチ手稿の文字がロマンス祖語であれば貴重な資料であると唱えています。

ジェラード・E・チェシャーは2週間で記号と記述を研究と、文字と単語の意味の解読を行ったとのことです。ヴォイニッチ手稿の内容は薬草療法や入浴治療、占星術、女性の心の問題、子育てに関する情報等であり、アラゴン(現在のスペイン・アラゴン州に11~18世紀に存在した王国)の王妃マリア・デ・カスティーリャのための資料として聖ドミニコ会の修道女によって書かれたものであると分析しています。

これらのジェラード・E・チェシャーによる解読に関して、異論を唱える専門家もおり、アメリカ中世学会のファギン・デイビスは「ロマンス祖語説はあり得ない。チェシャー氏の主張は希望的観測に基づく自己満足でしかない。」と否定しています。こうした批判の結果、ブリストル大学側からもチェシャー氏の研究から距離を置くといった声明が出されてしまいました。

ヴォイニッチ手稿はなぜ解読できないのか?

なぜ、ヴォイニッチ手稿は解読が難しいのでしょうか?

まず、使用されている文字が未知のものであり、解読以前に文字の判別が難題であることが挙げられています。暗号の専門家であったウィリアム・フリードマンは、解読にあたって手稿で使用されている文字を1文字1文字判別していきました。

文字に付随する僅かな変化や装飾に意味があるのかが不明であり、区別が難しい似た形をした文字もあったといいます。文字を既存の言語に変換させる以前に文字の判別が難題となったそうです。

また、ヴォイニッチ手稿は既存の言語と結びつける解読が複数行われてきましたが、ヴォイニッチ手稿は古いトルコ語であると発表したアメット・アーディックは、ヴォイニッチ手稿の著者は聞いた外国語の発音をそのままトルコ語として表記したのではないかと推測しており、そのために解読が困難になっていたのではないかと考えています。

その他、文字以外で解読困難となった原因として挙げられているのは、失われたページがあることです。ヴォイニッチ手稿を婦人病の治療法をまとめた医学書だと発表したニコラス・ギブズは、本来あったと思われる目次部分のページが失われたことが、ヴォイニッチ手稿の解読を困難にした理由として挙げています。

まとめ

ヴォイニッチ手稿は、これまで多くの人物が解読を試んできたものの、未だに多くの謎が解明されていません。

しかしながら、近代の調査によって書物に使用されている羊皮紙の年代を特定することができたように、新たな発見も存在します。現在も解読を行っている研究者がおり、今後、また新たな事実が判明していくのかもしれません。

ヴォイニッチ手稿の原書は現在、イェール大学に所蔵されていますが、ページをスキャンして電子書籍化したものがイェール大学のホームページにて無料で公開されており、インターネット環境さえあれば誰でも閲覧することができます。

多くの人の関心を惹きつける、奇妙で不思議な書物の世界を一度体感してみてはいかがでしょうか。

FM都市伝説 電子書籍化第一弾!
『友達から聞いた9つの不気味な話編』

Amazon kindleにて好評発売中!
(Kindle Unlimited会員は無料でお読み頂けます)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です